前回の続きです。
別人になった宮田さん
漏れ聞くところによると、このころの宮田さんは、病院の院長とか政界、財界の大物、さらには芸能人たちから「先生」「先生」と言われて、すっかり得意になっていたのだそうです。
長崎に道場を持つ隈本確先生が東京に支部を設けようと動き出したのは、ちょうどその頃でした。
そして、この隈本確先生の東京進出を知った宮田さんは、隈本確先生に対して全面的に協力をすると申し出てきました。
ところが、どうでしょう。
現実に隈本確先生が東京に出てきてみると、宮田さんの隈本確先生に対する態度は、それまでの協力的な話の内容と全く違っていました。
それというのも、たとえば隈本確先生が左手にはめている金の指輪、ダブルのスーツ、言葉つき、その他の要素が全くヤクザと何一つ変わりなく、ために、自分のお付き合いをしているハイクラスの方々にはとても紹介とか世話をするわけにはいかない、という事なのでした。
彼女は、隈本確先生に面と向かって、そのようなことをはっきりといったのです。
しかも、この時点において宮田さんは、神霊能力者、予知能力者として自信満々のありさまで、彼女の能力に比べたら隈本確先生の神霊能力などとても足元にも及ばないといった調子で、増上慢そのものでした。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、ということわざがあるけれど、このときの宮田さんがまさにこれでした。
何年か前、こう原病に冒されて隈本確先生を頼ってきたときの、あの哀れっぽい彼女とは別人としか思われませんでした。
隈本確先生は、人間の忘れっぽさというよりは、人間のうちに潜む傲慢さ、心のもろさというものを垣間見た思いがしました。
けれども、そんな宮田さんに対して隈本確先生は何も言いませんでした。
ただ、隈本確先生がいかなる神霊能力を持ち、また、日々いかに神霊能力の研鑽に努めているかという事について、いずれ宮田さんにもわかってもらえる日が来るのではないかと思いながら、その後の時をつ過ごしていました。
宮田さんからは、その後何の音信もないまま三年ほどの歳月が過ぎていきましたが、噂によれば、彼女流の上品でハイレベルな言葉つき、態度などで、ますます信者が増えつつあるという事でした。
得意の絶頂にあった宮田さんが、思いもかけず「悲劇の人」となったのは、その後まもなくのことでした。
次回に続きます。

恩人への裏切り
>彼女は、隈本確先生に面と向かって、そのようなことをはっきりといったのです。
自分の命の恩人に、本心はそう思っていても、面と向かってはなかなか言えることではありません。
>神霊能力者、予知能力者として自信満々のありさまで、彼女の能力に比べたら隈本確先生の神霊能力などとても足元にも及ばないといった調子で、増上慢そのものでした。
残念ながら、そういう人がいます。
ある程度のことができると、自分は凄いと思うのでしょうか。
びっくりするようなことを言う人がいます。
もしかしたら、いろんなことを教えてくれる何ものかがどのようなものなのか勘違いをしているのではないかと思われますが。
自分は神だという低級霊もいます。
そんなものに惑わされているとも気が付かず……
>噂によれば、彼女流の上品でハイレベルな言葉つき、態度などで、ますます信者が増えつつあるという事でした。
本当かどうかは別として、はっきりと断定してくれる人には、信者が付く気がします。
私も、ある程度の霊能力に力が付いた人がどんどん変わっていくのを見たことがあります。
最初に知り合ったときは普通の人だったのに、ある程度の霊能力に力がついてからは、自信が付いたのと同時に傲慢さを感じる面が見られるようになりました。
端から見てそう感じましたが、本人は全くそうは思っていないようでした。
ちょっと怖い気がしましたが、そうなるとこちらの言うことなど耳に入らないようです。
たぶん、宮田さんも言っても聞く耳はないことでしょう。