前回の続きです。
責任のない生活の秋葉さん
すると秋葉さんも、納得顔でいうのでした。
「ああ、そうでしょう。やっぱり、そうなんですね。私も、これは守護神様ではないなと、わかっていたのです。と申しますのも、私が自動書記の中で”あなたは守護神様ですか”と聞きますと“いえ、違います”、"では、背後霊様ですか”と聞きましたところ、"はい、その通りです”と答えてきたからなのです。
「それも、自動書記でですよ」
秋葉さんはそういうと、心なしか得意そうな顔をしたように見えました。
隈本確先生はその顔付きがちょっと気になったので次のようなことを言いました。
「あなたの自動書記の文字、また、内容を見てみますと、働いているのは背後霊の中でもいい方の霊のようです。つまり、あなたに善の意志を持つ背後霊ということでしょうね。しかし、そうはいってもあくまでも守護神様の自動書記ではありませんので、内容をよく検討して、そのすべてをうのみにすることのないように気を付けてください。
本当に霊格の高い守護神様となれば、あなたを守護し、導く力も絶大なものがあるはずですが、単なる背後霊の一体ということでは、あなたを守護するだけの力もなく、しかも霊自身がまちがったことを言ってくる可能性も十分ありますからね」
「はい、よくわかりました」
秋葉さんは、そういって帰っていきましたが、隈本確先生は彼女のやせた後姿を見送りながら、少々心配になってしまいました。
それというのも、この秋葉さん、もう32歳にもなるというのに独身で仕事ももたず、さりとて家事をするわけでもなく、責任というものが全くない生活状態だったからです。
人間は、こういう状態に置かれると、だれでも心身ともに脆弱になってしまうものなのです。
現に秋葉さんは、見るからに生気に乏しく、しょっちゅう、あっちが痛いこっちが痛いといっているような人だったのです。
そんな脆弱な心と体を持った女性が、霊を介在させて行う自動書記に熱中に熱中するということが、隈本確先生にある危機感を覚えさせました。
しかし、その後、秋葉さんの口から自動書記について一言もないままに、神霊能力者養成講習は終了しました。
次回に続きます。

大霊界から見た恵まれた環境と人間界から見た違い
>そんな脆弱な心と体を持った女性が、霊を介在させて行う自動書記に熱中に熱中するということが、隈本確先生にある危機感を覚えさせました。
こういう環境の人というのは、人間界ではとても恵まれていると思いますが、大霊界からみるとあまりいい環境ではないんですね。
魂が育たない、というのでしょうか。
そういう意味では、大霊界から見ると私はけっこう恵まれていたかもしれません。
私は子どもの頃は、とても怒りっぽかったのですが、最近はほとんど怒ったことがありません。
子供の頃に一生分の怒りを出し切ってしまったのかと思うくらい、今はほとんど怒ることがありませんでした。
でも、最近珍しく怒りました。
内容は細かく書きませんが、簡単に言うと信頼していた人が、わたしの言うことを信じてくれていなかったということでした。
珍しく私の中で怒りの想いが収まりませんでした。
これが信頼していない人なら、簡単に割り切れるのですが、信頼していた人に裏切られた思いが強く出てきて、なかなか気持ちがおさまりませんでした。
最近は日常的に私の胸の内に「聖」の文字を描くようにしていました。
それでも、わたしの怒りの想いがおさまりません。
そのうちに「聖」の文字とともに「愛」という文字が浮かんできました。
それでも私の怒りの想いはおさまりませんでした。
昨日、ふと浮かんできたのが「肉体人間のうちは人の想いはわからないんだから、どんなに信頼をしていても肉体人間のうちは、それぞれ別の人間なのだからお互いに分かり合えていると思っていても、違う想いがあって当然だ」という想いが浮かんできました。
その浮かんできた想いで、私の怒りの想いが消えてなくなりました。
そうなんですね、お互いに信頼をしていると思っていても誰でも同じ考えということはありません。
わかってもらえていると思っていても、相手は全く別のことを思っている可能性もあるわけですから。今回はとても勉強になりました。