聖の親様と共に2

初心に帰って初代会長の隈本確先生の教えである「大霊界」の御本に沿って、日常の生活や日頃私が思っていること感じていることに絡めて、書いていきたいと思います。

建て前が通用するのは人間界だけ

前回の続きです。

 

建て前と本音は日常の中にもある

建前と本音の違いということについて言えば、これも一部の宗教者、霊能者だけに限った問題ではありません。

一見、幸せそうな、ごく平凡な家庭の中にさえ、この建て前と本音の違いということは、しばしば見受けられるのです。

例えば、貞節でいかにも優し気な妻が、心の中では夫を呪いに呪っている場合もそうです。

「あなた、お帰りなさいませ、お疲れ様、お食事、召し上がりますか、それとも、すぐにお風呂になさいますか。どちらでも……」

などと優し気な言葉で、帰宅した夫を迎えた妻、実は心の中ではこんなことを言っています。

「まったく、いま何時だと思ってんの、もう十時半よ!私は一日中家でおさんどんをしているのに、好き勝手な時間に帰って来て!今まで、どこで何をしてたのよ。まったくバカにしている。で、帰れば”風呂、飯、寝る”しか言わないじゃないの。たまにお風呂が沸いてなかったりしようものならギャーギャーわめくし、うるさいったらないわ。ほんとにィ。今は食べさせてもらてるから我慢してるけど、私だって自分に経済力があったら、すぐにでも家を飛び出しちゃうから。そいで、もっとましな男を見つけるわ!」

あるいは、姑さんが嫁に対して、さも感謝しているようにこんなことを言うのです。

「由紀子さん、あなたがお嫁に来てくれたおかげで、わたくしも大変助かりますわ。仕事も全然しなくていいし、息子の面倒もしっかり見てもらえるし……」

ところが、心の声は次の通りです。

「何が助かるものか、嫁に来てもらって大変迷惑。台所の隅々は汚れっぱなし、料理なんかまずくて食えたものではない、洗濯一つさせてたって満足にしやしない。機械でするっていうのにさ。それに、ちょっと目を離せば昼寝ばかり。買い物に行けば手あたり次第買い込んで、冷蔵庫の中はいつもいっぱいで、ぷーんと嫌な臭いがする。息子にべったり引っ付いてりゃ、それでいいってもんじゃないんだよ。こんなぐうたらな女、見たことがない。ああ、憎たらしい。よりによって、何てつまらん女を息子の嫁にしてしまったんだろう」

—―と、このように日常生活の中でも、建て前と本音の間には深い溝があることがままあるものです。

(ここで一つの注釈を付ければ、この建て前ではなく本音である心の想いの世界を読み取ることを読心術という。神霊との対話も、こうした一種の読心術の世界でなされるものである)

しかし、人間、いくら表面をつくろい、建て前で押し通したところで、それが通用するのは生きてこの世にある間だけです。

高々、百年足らずのことです。

それに比べて、死後、何千年、何万年と続くかもしれない霊界にあっては、その人間が現界から持ち越してきた本音の部分だけしか通用しないのです。

だから、どんなに優しげな顔をつくっても、また誠実そうな言葉を吐いても、それが真心から出てきたものでなければ、霊界においては全く意味を成しません。

のみならず、霊界が心(想念)だけの世界であれば、言葉に反して心が醜い人間は、霊界では当然、悪想念ばかりが渦巻く地獄界へと落ちていくことになるのです。

 

 

 

 

 

笑顔のおばあちゃま

>人間、いくら表面をつくろい、建て前で押し通したところで、それが通用するのは生きてこの世にある間だけです。

 

本当のそうなんですよね。

また義母の話になりますが、義姉が義母を連れて行ってから間もなくのことです。

義姉が義母を連れて行くという時の夫の兄弟に対して、私達夫婦が出した条件が義母が私達の仕事場に来ないで欲しい、ということでした。

義母や義姉は、住まいは義母が義姉のところにいても、日中の昼間は今まで通り、夫の仕事場で仕事をするということを想像していたようでした。

でも、私たち夫婦が出した条件は、義母に仕事に来ないでくれというものでした。

これには義母本人だけでなく、義姉や夫の兄弟たち全員驚いたようでした。

何故なら、義母自身が自分がいなければ我が家の仕事が成り立たない、と思い込んでいたようでした。

おそらく義母も、周囲にそのように言いふらしていたと思われます。

ところが、私達は年老いた義母(当時88歳だった)の思い込みの激しさと、間違いだらけで困っていて、本音のところでは早く仕事をやめてもらいたかったのです。

電話を受け取って、調子のいい返事をしても、当時二カ所の市場に出荷をしていたのですが、そのどちらかの市場からの電話だったのにもかかわらず、二カ所両方の名前を合わせたものを言うし、水を出しっぱなしで帰宅をしてきたり、と大変だったので、それを機会に仕事をやめてもらってホッとしていました。

本人は、いずれわたしたちが困って、来てくれと頼みに来ると思い込んでいたようですが……

話は元に戻りますが、義母が義姉のところに行ってしばらくして、お客さんが来て

「笑顔の素敵なおばあちゃまは、お元気?」

と言われ、私は思わず

「そんな人家にいたっけ?」

と言ってしまいました。

お客さんは、その言葉で全てを察したようで、黙ってしまいました。