聖の親様と共に2

初心に帰って初代会長の隈本確先生の教えである「大霊界」の御本に沿って、日常の生活や日頃私が思っていること感じていることに絡めて、書いていきたいと思います。

突然の霊言現象

「シュークリームが食べたい」

 

「転生の謎」を解き明かすカギとなる憑依現象、および霊現象・霊言現象が実際にあります。

 

当時の隈本確先生の主催する東京支部の師範役である吉沢キヨ女史は、霊言の名手でした。

 

ある時、神霊治療も終わり、すっかり明るい表情で隈本確先生の前に座っている依頼人である女性に、隈本確先生が、後々の自己治療法やその他の注意事を説明していた時です。

 

治療所には同席していた吉沢女史が、突然入神状態に入り、霊言現象をあらわしだしたのです。

 

「シュークリームが食べたい、シュークリームが食べたい、甘いものが食べたーい……」

 

師範役の吉沢女史が、まるで童女のようなかわいらしい声で、いかにも切なげに言うのです。

 

隈本確先生と対座していた中年女性が、ギョッとした様子で吉沢女史の方を向きました。

 

「そ、それは、わたくしの娘の声です。

小学校五年の娘ですが、いつもあんなふうに言っているのですよ!」

 

その言葉にびっくりしたのか、ハッとしたように吉沢女史は入神状態から覚めました。

 

当時より神霊治療能力がずっと高くなった現在では、自然発生的な神がかり現象を絶対に示さなくなった吉沢女史ですが、数年前までは、来会した依頼人に感応して、しばしば自然入神状態に入っていきました。

 

そして、依頼人の憑依霊や、依頼人に関わる他人の念、家族の生霊の想いなどを、よく霊言していました。

 

この時も、丁度そんな状態だったのです。

 

そこで、隈本確先生が言いました。

 

「吉沢さん、この方のお嬢さんが普段から何を思っているか、もっと続けてごらんなさい」

 

と、吉沢女史は、一瞬ためらう表情になりました。

 

「よろしいのでしょうか、先生。

突然、このような霊言をいたしまして……」

 

「いいですよ、これも何か、このお母さんにアドバイスをするきっかけとなるかもしれませんからね。

どうぞ、続けてください」

 

それから、再び入神状態に入った吉沢女史、またもや、童女の様なかわいらしい声で、何とも切ない調子で言いました。

 

「お母さんは大嫌い、嫌い、嫌い、嫌い……。

いつも黒いかたいご飯しか食べさせてくれない、よそのお友達は誰だって真っ白いふかふかご飯か、綺麗なパンを食べているのに、大好きなお肉もお魚も、少ししか食べられない。

お菓子だって、ケーキだって、いつもダメ、ダメ、って言って買ってくれない。

もう、こんなお母さんは大嫌い、いや、いや、いや、あたしは家を出ていっちゃうから」

 

吉沢女史が霊言するさまを、唖然と見つめていたこの依頼人の女性、やっと我に返ったように口をはさんで

 

その通りです。

そのとおりです。

いつも子供が、そのように言っておりますよ」

 

かわいらしい童女の声の吉沢女史の霊言は、さらに続きました。

 

「お父さんも言っているわよ、こんな頑固な母さんは大嫌いだって。

ご飯のことから、何から何まで小うるさく文句ばかり言って、この母さんとはいつかきっと別れてやるって……、お父さんも、いつも言っているわよ」

 

次回に続きます。

 

 

  

 

 

「シュークリームが食べたい」

 

隈本確先生と対座している時に、いきなり「シュークリームが食べたい、シュークリームが食べたい、甘いものが食べたーい……」

 

などと言われたらギョッとするでしょうね。

 

しかも、自分の娘が普段言っていることを、全く知らない他人の口から聞かされたら驚きますよね。

 

口から出てしまった吉沢女史もまた驚くとともに、居心地の悪い思いですよね。

 

でも、隈本確先生はその依頼人の娘さんの言葉に、何かを感じたんですね。

 

だから、吉沢女史に霊言を続けるように言ったんですね。

 

この場合は、隈本確先生のいるところだったから良かったのですが、そうでなく全く誰も知らない人ばかりの場所で、いきなりこういう言葉が出てくると、居心地が悪いですよね。

 

人前に出ることが嫌になるでしょうね。

 

隈本確先生も吉沢女史と同じように、いきなりの霊言現象の経験があって苦い思いも沢山してきたからこそ、吉沢女史の辛さもよくわかるんですね。

 

数年後には、吉沢女史も霊言現象がなくなって良かったです。