意外な原因
隈本確先生がまだ一人ひとりの依頼人に、病気の要因である憑依霊の様子について多少とも説明をしていた頃のことです。
長崎の治療所に、全身リューマチで七年間苦しみ続けているという中年の女性・宮脇容子さんがやってきました。
彼女の言うところによると、発症してからの七年間、立ち振る舞いもままならないほどの体の痛みで、食事の支度はおろか、時には自分の下着類までご主人や家族に洗ってもらわなければならないような状態が続いているというのです。
もちろん、病院へも通ったけれど、それもあまり効果がなく、今日まで来たというのです。
そこで、隈本確先生がこの宮脇さんの霊障について霊視してみると、「五島」という文字が霊視に映ってきました。
長崎県の五島です
「宮脇さん、あなたは五島におられたことがありますか」
この隈本確先生の問いに、彼女は答えました。
「はい、私の主人は警察官で、あちこち転勤になりましたけれど、五島にも二年ほど住んでおりました」
それから、隈本確先生は、さらに霊視を続けました。
すると、隈本確先生の心眼には、畳にして十畳くらいと思われる小ぢんまりとした神社が、ありありと映ってきました。
隈本確先生は、宮脇さんに再び聞きました。
「あなたが住んでいた五島の近くに、畳十畳分くらいある神社がありませんでしたか」
「はい、確かに、そのような神社がありました」
「あなたは、その神社で何かしましたね」
「え、はあ、それは……、お参りに行ったり、お祭りに行ったり。
でも、何も失礼になるようなことはしなっかったと思うのですが……」
宮脇さんは、隈本確先生の問いに、とまどったような不審そうな顔つきをして、一瞬言葉を切って再び続けました。
「あの神社について、一番よく覚えていることといったら、年一度のお祭りです。
その日は村中が総出で、神様にお酒やお赤飯、そのほかいろいろなご馳走をお供えをして、お祈りするのです。
それから、祈願が済むと、私達は、その神社の境内でにぎやかに酒盛りをして、歌ったり踊ったり、一日を楽しく過ごすのが習慣になっていました」
……とそこまで宮脇さんの話を聞いていた隈本確先生は、あることがピンときました。
「あ、わかりました。ちょっと、待ってください」
隈本確先生は、またしばらく霊視を続けてから、彼女に告げました。
「宮脇さん、内容を説明しまとですね、そこの神社の神様がハラを立てているんですよ。
ものすごい形相で出てきて、怒っています。
“余の神前で、よくも、この人間・凡夫めらが飲み、食い、かつ踊り狂いまわって!!”
と、このようなことを言っているわけです。
そして、その神の怒りが、あなたの全身リューマチとなってあらわれているのです」
それから、隈本確先生は、その神社の神を隈本確先生の体に呼び込んで、こんこんと戒め、説得し、それまで宮脇さんの体に流していた万力のような怒りの呪力を、全て引き上げさせたのです。
当の宮脇さんは、隈本確先生の思いもよらない内容にびっくりしていたようですが、何よりも全身リューマチの痛みが、二回の神霊治療でほとんど消滅してしまったことで大喜びをしていました。
とかく人間は、お祭りだ、お祭りだと言っては、飲んだり食べたり踊ったりして、自分たちが喜んでいるのだから神様もお喜びだろう、などと虫のいいことを考えがちなものですが、実際に、宮脇さんのようなこともあるのです。
繰り返しになりますが、私達は、神霊世界というものが人間世界とは全く異質の世界であることを、深く知らなければなりません。
また、すでにご存じの方もいると思いますが、迷える低級霊ほど人間界に近づきたがるものです。
だから、人間界側で執り行う祭りごとにいろいろと感応してくる霊ほど、未浄化な低級霊であるという事も言えます。
このような場合には、高級霊能者に依頼し、その霊の霊界での向上をはかってもらうと、現界に表している色々な霊現象は解消されます。
神霊の世界と人間の世界は全く異質
>私達は、神霊世界というものが人間世界とは全く異質の世界であることを、深く知らなければなりません。
この結果には驚きます。
以前から隈本確先生は、神霊世界と人間世界は全く異質の世界だという事は、繰り返し言われています。
こういう事なのですね。
それにしても、まさか7年もの間苦しみ続けたリューマチが、神社の神様のお怒りに触れたことが原因とは、宮脇さんも驚かれたことでしょう。
でも現実には、7年もの間苦しみ続けたリューマチが治っているわけですから、真実なんですよね。
こういう神霊世界と人間世界の違いというのは、人間界では全くと言っていいほど認識されていません。
未だに神霊の世界の話は、一般には言いにくい雰囲気があります。
おそらく言っても、残念ながら信じてもらえないでしょう。
実際には、宮脇さんのようなことが原因でに痛み苦しみながら病院に通っても治らないでいる人は、けっこうの人数の人がいるのではないかと想像しています。
霊界の話とか宗教の話というだけで、拒否反応を示す人もいます。
こういう人達は、死後の世界をどう考えているのか気になります。