前回の続きです。
家族の為と思ってしたことが・・・
吉沢女史が霊言現象で言った依頼人の女性の娘さんの言葉に、依頼人の女性はすっかり余裕のない表情になってきました。
目は引きつり、硬直した唇は今にも震えだしそうでした。
「先生、どうしましょう。
娘だけならともかく、主人までもがそんなことを……。
先生、どうしましょう、どうしましょう」
その女性は、吉沢女史の顔と隈本確先生の顔とを交互に見比べると、いかにも切羽詰まった哀願の調子で震えかかっている唇で、やっとそれだけのことを言いました。
「ちょっと待ってください。
お母さん、落ち着いてください。
私からおたずねしますが、あなたのお嬢さんはシュークリームが食べたいとか、ケーキを買ってもらえないとか、つまり甘いお菓子類が食べたいのですね。
それから、黒いかたいご飯、これは何の意味ですか」
「はい、それは玄米のことです」
「ほう、するとお宅では、家族の方に甘い菓子類は一切食べさせない、ご飯と言えば必ず玄米、そのうえ、肉も魚類もあまり食卓には出さないわけですね。
それでお嬢さんは、お母さんが大嫌いだとか、家を出ていくとか、ご主人まで別れたいとか――、しかし、いったいどうして、そんな変則的な食生活を強要するのですか。
もし、私がそのよううなことをされたら、やっぱり、私もそんな奥さんが嫌になってしまうでしょうね。
お嬢さんやご主人のいう事がもっともですよ」
隈本確先生がそう言うと、この母さんはすっかり肩を落として、小さくなってしまいました。
そして、か細い声で言いました。
「はあ……、実は先生、それは、わたくしが現在ある宗教に入っている関係上、そのようにしなければならなかったのです。
娘は風邪をひきやすいし、主人はいつも腰が痛いと言っておりました。
それである宗教に入って、色々な修法をしてもらっていたのですが、その宗教では体の健康は自分自身でつくりだすといっているのです。
で、食事はからなず玄米で、甘いものは体を悪くする元だから一切ダメ、肉類や魚類には霊が宿っているから口にしないほうが良いと……」
そこまで聞いていた隈本確先生は、このお母さんにはお気の毒ながら、思わずこみ上げてきそうになる笑いをかみ殺しながら言いました。
「私が神霊能力者でなくても、大好きな肉や魚が食べられない、また、子供にまで甘いものを禁止するような宗教なら、お断りですね。
たとえ、逆にどんな大金をつぎ込んで入信してくれと言ってきても、絶対に嫌ですね」
それから、隈本確先生は自分の三人の子供たちには肉でも魚でもお菓子でも、食べたいだけ食べさせてやり、文字通り医者知らずの健康体に育ったこと、さらに、変則的な食餌療法が家族に役に立っていないどころか、逆に心の病気を作り出し、家庭の和を壊す働きしかしないという事を、こんこんと語って聞かせたのでした。
これら、隈本確先生の言葉に深くうなずいたこの女性は、家族一人ひとりの心、想いの世界というものがいかに大切なものであるかを悟って、さわやかな笑顔を残して帰っていきました。
そして、後日、その女性から感謝のお便りが届きました。
そのお便りによると、あの日以来、すっかり玄米食はやめ、肉も魚も日々の食卓に出すようにしていると言います。
その結果、ご主人やお嬢さんが明るく、朗らかな様子に、心の底から神に感謝する日々が続いているとのことでした。
家族の為が押し付けになっていたと座敷童
良かったですね。
家族を思うあまりに自分の考えを押し付ける形になっていたのですね。
こういう事ってわりとあります。
自分では押し付けているつもりはなく、家族のためにはこれしかない、と思い込んで行っていることが、逆に家族には不快な思いをさせているという事、本人が一番気がついていないのです。
子育てでもありがちです。
気を付けたいものです。
>隈本確先生の言葉に深くうなずいたこの女性は、家族一人ひとりの心、想いの世界というものがいかに大切なものであるかを悟って、さわやかな笑顔を残して帰っていきました。
この想いは、家族だけでなく人間関係全てに言えることだと思います。
今回の記事とは関係がないのですが、毎日見ているmutaさんという方のブログの中にあったyoutubeです。
ブログのタイトルは「mutaの2023行政書士試験合格するぞと時々スピリチュアル」です。
mutaさんが、緑風荘という座敷童が出ることで有名な旅館で体験されたことをyoutubeに出されていましたので、mutaさんの了解を得て載せました。
私は、これを見てとても温かい波動を感じて、幸せな気持ちになりました。
よかったら見てください。