前回の続きです。
坂上さん夫婦の想いに大きな開きがある
坂上さんが、隈本確先生の方へ身を乗り出すようにして言いました。
「先生、実はこの間三条さんを通してお願いしていた主人のことですが……。
それが、先日先生のところから帰ってきた主人が変なことを言うのです。
”俺の虫の病気は、母さん、あんた次第で治るらしいよ”と、こんなことを言うんですよ。
これはいったい、どういう意味なのでしょう。
私次第という主人の言葉、私には、どうしてもわからないのですけれど」
そこで隈本確先生は、まず、次のように言いました。
「坂上さん、よろしかったらわたくしの著書『大霊界2 念と病気』の中にある自念障害の項、“よみがえった愛の生活”(『大霊界2』155ページ)のところを読んでみてください。
そうしますと、ご主人の虫の病気は自然に治ってしまいますよ」
すると、坂上さんは、自分が本を読んだだけで夫の浮気症が治るという事がいかにも解せないといった顔つきをしています。
ここで、ちょっと説明をくわえますと、この『大霊界2』の中にある”よみがえった愛の生活”という部分には、自念障害(自分の発した念が自分自身に作用して、障害をもたらす現象)を乗り越えて、いったんは失った夫の愛を美しい魂の力で取り戻した妻の実例があげられているのです。
隈本確先生は、坂上さんには、何の先入観もなく自分で本を読んでもらいたいと思ったため、あえて、この時、その詳しい内容について語ることをさしひかえました。
そんなわけで案の定、坂上さんは少々不服そうでありましたが、
「……では、家に帰ったら読んでみてみましょう」と、低い声で返事をしていました。
それから、隈本確先生は坂上さんに、単刀直入に次の質問をしました。
「ご主人との夫婦生活は、どうしていらっしゃいますか」
すると、坂上さんは存外なことを聞かれたとばかりに、言いました。
「先生、法律上の夫婦なのですよ。
そのことは別としても、とにかく主人が私を裏切る、それが許せないのですよ。
そうですねぇ……、あれの方は、そうですね、七夕さん(一年に一回)ぐらいでしょうか。
ですがこの年になって、そのようなことは論外と思います。
主人の虫の病気とは別の問題と思いますけれど、第一、私達には、もう三十を過ぎた子供一人に二十歳を過ぎた子供が二人もいるんですからねェ!」
いかにも憤然たる調子で言ったものですが、隈本確先生はこれらの話を聞きながら、坂上さんが隈本確先生に対して、
「この先生は不潔人間!」と言っている居丈高な心の声がはっきりと感じられたのでした。
そこで、隈本確先生は、ご主人の虫の病気は霊の憑依現象ではないという事、したがって、それは神霊治療の対象にはならないという事を語らなければなりませんでした。
それは、あくまでも人間サイドの思考の解決をはからなければならない問題なのです。
加えて、隈本確先生はこの坂上さんに、長年連れ添ってきた夫婦と言えども男と女であることの再認識をし、妻である彼女自身が女としての基本の姿勢に立ち返るべきことをお話したのでした。
人間でいる間は、自分の心の高みを目指そう
>「先生、法律上の夫婦なのですよ。
そのことは別としても、とにかく主人が私を裏切る、それが許せないのですよ。
>主人の虫の病気とは別の問題と思いますけれど、第一、私達には、もう三十を過ぎた子供一人に二十歳を過ぎた子供が二人もいるんですからねェ!」
いかにも憤然たる調子で言ったものです
たぶんですが、今の若い人たちはこういう意識をもった人は少ないと思いますが、少し前の人達は、夫婦生活とは子供を授かるためのものという意識が強かったと思います。
私が隈本確先生のご本が好きなのは、普段から神霊治療と日常生活は車の両輪と言われる通り、日常生活のこともこのように書かれているからです。
私のブログも、隈本確先生のご本の内容も書きながら、自分の想いや日常生活のことを書いているのは、その理由からです。
直接、霊とは関係のない話も多いので、嫌な方はスルーしてください。
例えば、日常生活で自分でも気乗りのしないことでも、気持ちを切り替えて頑張ってみるとうまくいったりします。
そういう小さい成功例が自分に自信を持たせてくれます。
そういう事が積み重なってくると、時として神霊治療をしていても神様となかなか波長が合わない事あったとしても、あきらめずに続けることにつながると思います。
そう、自分の心を美しく強くすることを意識して生きることが、神様と繋がることに繫がります。
霊界に旅立ってからでは、かなり長い年月がかかるといいます。
そりゃ、天界道があるから大丈夫と思っている人もいるかもしれませんが、もちろんそれはありがたいですが、肉体人間でいる間にできるだけ自力で高い所をめざしたいと思っています。