何かあると霊のせい
事業や商売における不振、損失は霊障によるものばかりと限りません。
特に、現在のように、政治、経済など社会の変動が激しい時には、社会の動きを良く見極めずに仕事上のかじ取りをしたことによる事業、商売の不振という事も非常に多いのです。
また、社会情勢を無視してやみくもに投資したりすれば、当然、失敗の確率の方がグンと高くなってしまいます
例えば、いま日本ではちょっとした金ブームですが、この金についてはこんなことあります。
買っておけば必ず値上がりして儲かる、という事で買った金だったのに、買った途端にどんどん値下がりしと大損をしたなどという場合、これは霊障による失敗ではなくて、社会の動きを見る目が甘かったことによる失敗と言えます。
そして、この二大産金国が世界の国々に対して大量の金を売り出すと、たちまち市場は供給過剰となって荷崩れが起こり始めます。
ちょうど近年の金市場がそのような状態なのですが、これはソ連、およびソ連圏の同盟国の穀物不足が原因しているのです。
ソ連は、自国産の金を世界に向けて大量に売りさばくことによって、穀物輸入のために必要な資金を捻出しているのです。
だから、金の値動きは、ソ連圏の穀物が豊作か凶作かによって決まる、と言われているのです。
これは、霊とは関係のない人間界の経済の問題です。
また、日本の織物業界は、現在、ほとんど不況にあえいでいます。
安い賃金で生産される外国の生地が我が国に輸入されることによって、高い自国の布地の売れ行きが減少しているからです。
その他、米作農家などは、実際には売れても売れなくてもできた米を政府が買い上げるという食糧管理法にもとづく措置がなければたちまち不況にあえぐことになってしまいます。
こうした事情から言えることは、事業や商売の不振という事については、政治、経済、社会の動きによって大きく左右される場合もあります。
世の中には、どんなに能力があって社会情勢に精通していて、しかも朝から晩まで一所懸命働いていても、悪霊の仕業で、することなすことあてがはずれてしまうという人も実際にいます。
しかし、社会生活を営んでいくうえで、事業の不振や投資の失敗、または対人関係など、何でもかんでも霊のせいにしてしまうのは間違いです。
何でも人のせい
この記事は、1982年初版の「大霊界3」のものですから、社会情勢が今とだいぶ違っていますので、その辺は了解してください。
でも、事業や商売は霊だけでなく、現実の人間界の政治、経済、社会の動きによって大きく左右される場合もあると、隈本確先生は書いています。
時代が変わっても、現実の人間界で生きているわけですから、そういう事だと思います。
何でもかんでも霊のせいにする人もいますが、霊ではなく、何でもかんでも人のせいにする人もいます。
端から見ると、どう見ても本人がやらかした事なのに人のせいにする人がいます。
霊のせいにするのも、人のせいにすることと似ているのではないかと思います。
霊や人のせいにすると、原因が自分でなければ気持ち的には楽だと思いますが、いつまでたっても問題は解決しません。
こういうことをしていると、いつまでたっても成長しません。
私は、そういう人には何も言いませんが、魂の親様が嫌な思いをされているのではないか、と他人事ながら気になります。
それにしても、この記事を読んでいると、隈本確先生が社会情勢をよく見て勉強をしていられるのには、さすがだと思います。