前回の続きです。
村田さんの奥さんしっかり絞られた
隈本確先生の強い言葉に対して、大竹さんはおろおろしながら言いました。
「先生、全く申し訳ありません。ですが、あの奥さんのご主人が一生懸命になっておりますので、どうかそうおっしゃらずに最後までよろしくお願いします……」
大竹さんにそのように言われた隈本確先生は、とにかく、もう乗り掛かった船なのだからいたしかなし、と腹をくくりました。
そして、村田さんに、今度はご主人とともども治療所に入ってもらいました。
それから隈本確先生は、まず、ご主人に次のようにいました。
「ご主人、あなたの奥様は、私の神霊治療を受けるために自分から進んで、ここに来られたわけではないでしょう」
するとご主人は、当惑しながらも、隈本確先生の言葉を否定しました。
「いえ……、先生、私達は、きょうのこの日を楽しみにしてきたのですが……」
そこで、隈本確先生は奥さんの方を向くと、いきなり、言いました。
「村田さん、あなたのご主人はそう言っていますが、あなたは心の中ではこんなふうに考えていたのでしょう.”18年もの長患い、神様の力なんかで治るものですか。よりによって、この痛くてたまらない体を長崎くんだりまで引っ張っていくなんて……。そんなことをしたって治るものですか”と思い、その上、あなたは出がけにも、家で相当腹をたてて、ああでもない、こうでもないと言ってわめきたてていたはずです。
それはね、村田さん、自分の体が自分でどうにもならない、辛い18年を過ごしてきたということはよくわかります。しかし、今のあなたのように、自分に対しても、周りの人に対しても怒りとか恨み、呪い、反発の心ばかりもっていて、不平不満とわがまま放題の心の状態では、私がどのように神霊治療を一生懸命しても、すぐに元の状態に戻ってしまいますよ。
あなたは、ここに来ることについても、ご主人に対してさんざん悪態をつき、ありったけの文句を並べていましたね。
あなたは、神霊治療をどのように考えていらっしゃいますか。霊界の高いところにおられる神霊のお力を頂戴してするのですよ。あなたが心の中で”神様、どうかお願いします“という謙虚な気持ちをもてば、あなたのリューマチは80%近くまで治ります。しかし、今のあなたのような心理状態では、せっかく遠方から来られ、神霊治療を受けて帰られても、再び元の状態がぶり返すでしょう。いや、なまじ神霊治療など受けると、あなたの心の中に住む悪霊が暴れ出して、かえって治療前より具合が悪くなるかもしれません。
あなたのような心理状態をもった人を、神霊の立場からは、悪心障がい者と言っています。この場合の悪心とは、犯罪に関わることとか倫理、道徳に反する云々を言うのではありません。あなたがもっているような神を信じない心、疑いの心、不平不満がいっぱいの心、傲慢な心、そのような心を、私達は悪心と言っているのです。
私の神霊治療は、二回受けると普通の病気はほとんど治ってしまいます。あなたが、ぜひともご自分の病気を治したいという気持ちをお持ちでしたら、心の中に“お願いします”という謙虚な気持ちをもって、明日もう一度いらっしゃい。あなた自身が“苦しみに負けて神を呪い、主人を呪い、周囲の人達を罵倒し、まことにすみませんでした。今から、すっかり心を改め、素直な気持ちになります。どうか神様、よろしくお願いいたします”と、このような気持ちに本当になれたなら、明日、あなたの病気は治ります」
次回に続きます。
穴があったら入りたい心境
>あなたは、ここに来ることについても、ご主人に対してさんざん悪態をつき、ありったけの文句を並べていましたね。
こんなことを、はじめて会ったその場にいたはずのない隈本確先生から言われたら、それこそ穴があったら入りたい心境ですよね。
でも、この村田さんの奥さん、これくらい言わないと聞く耳はないでしょうね。
それにしても、以前どなたかがコメントをしていた人がいました。
神霊治療を受けたいけれど、自分の全てを見透かされる気がして、怖くて受けることができない、というコメントを読んでそんなことを思う人がいるんだと驚いたことがありました。
私は、自分の全部を見透かされてもいいから神霊治療を受けたいと思っていました。