転生思想の功罪
転生思想は、もともと古代インドの思想でしたが、初期の仏教では、善業によって善の世界に、悪行によって悪の世界に生まれ変わると説いています。
この転生思想によれば、人間はその行いによって畜生に生まれ変わったり、逆に、現世の畜生が来世には人間となって生まれ変わって来ることもあると言います。
……だから、私達は行いを正しくしなければいけませんよ、などとこじつけてみれば、これは、いかにも教育的な物語の世界そのものです。
にもかかわらず、現在、わが国でも転生という事を信じている宗教関係者や神霊能力者、行者、加持祈祷師が大勢いることにびっくりしてしまいます。
隈本確先生は、この転生思想というものについて、人間界のモラルを保たれるために考えだされた方便の教えであると解釈しています。
それを大の大人が真に受けて、現世での過ごし方次第ではキツネやタヌキ、ヘビ、ネコなどに生まれ変わるなどと言っているのだから、いったい、世の中どうなっているのでしょうか。
ある種の不安と恐ろしささえ感じてしまいます。
それでも、キツネやタヌキに生まれ変わるなど言うのはまだ愛嬌がありますが、人間が魚やクモ、ハエ、カに生まれ変わるなどというのはまだそんなことをまじめに説いている宗教関係者、神霊研究家は、一度、精神科へでも行って、とくと頭を冷やしたほうが良いでしょう。
一般の人たちにとっては、精神世界のことがら全体が全く常識外のことなのですから、その正解の判断がつかなくても、ある程度はしかたがないとは思います。
しかし、それにしても、人間が小さな昆虫のたぐいに生まれ変わるなど、ちょっと考えられないことではないでしょうか。
隈本確先生の場合は、神霊能力があるがゆえに、神霊世界の常識、非常識についても、はっきりとわかるのです。
教えの世界の宗教者や神霊研究家「非神霊能力者」が、あたかも神霊世界の熟知者であるかのような言動をすることは、大いに慎まなければならないことです。
前世思想は当たり前になっている
>キツネやタヌキに生まれ変わるなど言うのはまだ愛嬌がありますが、人間が魚やクモ、ハエ、カに生まれ変わるなどというのはまだそんなことをまじめに説いている宗教関係者、神霊研究家は、一度、精神科へでも行って、とくと頭を冷やしたほうが良いでしょう。
実は私の子供の頃、大人から言われていたのはこの説でした。
子供だった私は、本気で信じていました。
悪いことをしたり、ウソをつくと次に生まれ変わるときは何に生まれ変わるかわからないよ、と言われていました。
だから、一所懸命いい子でいようと思っていても、子供ですから夢中になると、そんな事はすっかり忘れて、大人からいけないと言われていたことをしたりしていました。
今自分の子供の頃のことを思い出すと、思わずニヤリとします。
成長して大きくなると、小さい頃のことはすっかり忘れていました。
でも、大人になって世間の人達を見ると、前世は当たり前で、次に生まれ変わったら幸せな人生を……という会話が普通に聞きます。
中には、今私がうまくいかないのは、前世に悪いことをしたからだわ、とそう思う事で納得している人もけっこういたりします。
これはこれで、本人が納得できるもとになるのならいいのかな……と、何となく引っかかるものがありますが……
私は、隈本確先生の前世はない、という話を読んでホッとしました。
というのは、本当かどうかわからないし、本人も全く記憶がない犯罪を仕立て上げているわけですから、えん罪だと思っています。
>教えの世界の宗教者や神霊研究家「非神霊能力者」が、あたかも神霊世界の熟知者であるかのような言動をすることは、大いに慎まなければならないことです。
残念ですが、現実の世界ではまかり通っています。
そして、自信たっぷりにウソの言動を、信じる人たちが一定数います。